安心した取引につながる契約書
第8回は、フリーランスとしてキャリアコンサルティングを実施する際の契約についてです。雇用者として働く場合は、基本的には、事業主と労働契約を結んで働きますが、フリーランスの場合は、一部雇用関係になる場合もありますが、多くは業務委託契約になります。特に、社内でのキャリアコンサルティングの場合は、その企業様と直接契約の場合もあれば、間に他の団体が入り、そことの業務委託契約を結ぶ場合もあります。
ここで、私の失敗ですが、契約書を正式に交わさず、電話やメールで依頼を受け、キャリアコンサルティングを行ってしまったことがあります。請求書を送ってはあったのですが、支払期日になってもキャリアコンサルティング料金が支払われず、契約書がないばかりに、交渉も上手くいきませんでした。
また、別の機会では、当日に面談の予定が先方の都合でキャンセルになり、その際の取り決めをしていなかったため、私は交通費までかけて現地に行ったにも関わらず、面談費用も交通費も出ず、行き損になってしまったこともあります。
他のサービス、例えばホテルの宿泊など、キャンセル料金についての記載が明示されていますが、実際に自分の業務においては、考えてもいませんでした。
この時に学んだことが、必ず契約書は交わすということ。
ベテランの方や知識がある方なら当たり前のことかもしれませんが、フリーで仕事を始めたばかりの私は、知識も理解もなく、仕事を依頼されることの嬉しさの方が大きく、契約が曖昧なまま仕事を受けていました。
多くの場合は、お互いの信頼関係のもとトラブルなく進むのですが、行き違いや認識違いがあった場合に、立ちもどれる共通の認識を契約書で残しておくことで、よりトラブルなく取引していけると感じます。
契約書など、ややこしいし、素人目には何を記載すればいいかわからない。下手に契約を結んでしまうと、自分にとって不利益になることも出てきます。ただ、専門家に相談してでも、契約書はあった方がいいと私は感じています。
フリーランスだと、どうしても立場的に弱くなってしまう傾向がありますが、より良いサービスを提供するためにも、契約は重要ではないでしょうか。