フリーランスの働き方 〜その一、きっかけ〜

雇用されず、働く

特定の企業や団体、組織に専従しておらず、自らの才覚や技能を提供することにより社会的に独立した個人事業主もしくは個人企業法人である。

[出典|ウィキペディア]

政府が「雇用によらない働き方」を推進する動きも出ており、国内でもフリーランスという働き方が注目されてきています。これまでフリーランスというと、フリーアナウンサーやフリーライター、デザイナーなどの職業が認知的には進んでいるでしょうか。私が行なっているキャリアコンサルタントも、フリーで生業としている方が何人もいます。私自身、フリーランス歴6年目に入り、この働き方にだいぶ慣れてきて、フリーランスの良さや、課題も見えてきました。このあたりで一度、自分自身のこれまでを整理したい思いもあり、同じフリーランスとして働く方や、これからフリーランスを選ぶ方の何か参考になればと思います。

今回は、まず独立したきっかけについて。

自分で何かをやってみたかった

「どうして独立しようと思ったのですか?」「勇気ありますよね」

フリーランスでやっているというと、よく聞かれるのが、そのきっかけ。どうして独立しようと思ったかです。私がこの働き方を始めたのは29歳でした。当時周囲に、同年代でフリーのキャリアコンサルタントはおらず(特に男性で)、余計に珍しがられ、よく聞かれました。私の場合は、遡れば、15年前。大学時代から、自分で何かをやっていきたいという漠然とした想いはありました。ただ、何をどうしていいかもわからず、何をしたいのかも曖昧で、フリーランスという働き方も知らず、その想いは過ぎていました。

その後、就職し、転職し、6年が過ぎた頃。私は、キャリアコンサルタントの勉強を始め、中小企業の人事職で、採用や労務管理、安全衛生管理をしていました(キャリアコンサルタントの勉強を始めたきっかけは、また別の機会に)。ある時、勉強会で知り合った方から、就職フェアで相談員をしてくれないか依頼があり、引き受けた会場で、フリーランスとして働く方に出会いました。今思えば、これが初めて会ったフリーランス。しかし、この頃はまだ、「この人すごい」と思ったくらいで、独立への動機付けではなく、勉強への動機付けが強かった気がします。




少し人事の仕事に話を移します。28歳の時に人事職に転職し、入社半年後から新卒採用に携わることになり、採用の企画から運営まで一連の流れを担いました。同時期に新卒社員の入社もあり、大学生や新卒生世代と関わる機会が増えていました。採用の過程、育成の過程、両方を体験するうち、自分の中には、育成に関して面白さを感じていることに気づきました。採用面接でも、受験者を自分が所属する組織に加えるかどうかという視点よりも、その人その人の良さを引き出すために、もっとじっくりと関わりたいと思いようになっていました。

そんな考えを、何人かの知人に話すうち、その中の1人から、学卒者就労支援の仕事の話をいただいたことが、最終的にフリーランスに踏み切った出来事。これが、2012年1月、独立の3ヶ月前のことでした。

周囲の支援があったから続けられる

話をいただいた時には、すでにフリーランスという働き方を知っており、迷ったか、迷っていないかでいうと、迷いはなかったです。本やネットで、フリーランスに必要な手続きや準備を調べ、引き継ぎの段取りを考えるなど、退職の手続きを進めている自分がいました。その自分を客観的に見て、気持ち的に「引き返す」ことはできない、このまま進めるしかない。自分の気持ちや行動に、素直になろうと思ったことが、独立の決め手です。

ただ、今振り返ると、かなり甘い考え。明確な事業計画や、十分な資金がない中、見切り発車で飛び込んだ自分がここまで続けれこられたのは、周囲で気にかけてくれる方や、お声がけいただける方がいたからこそです。周囲の方の支援がなければ、私の仕事、生活は成立していなかったと言っても全く過言ではありません。

次回は、フリーランスの開業準備です。

フリーランスの働き方 〜その二、準備〜