自分の仕事の興味関心は?
愛知県内の高校2年生向けに、就職に向けた講座を行ってきました。今回のテーマは、3年生を目の前にして、生徒たちの就職に向けた意識付けと就職活動の進め方やポイントを勉強すること。朝から就職希望の生徒たち約40人が集まりました。
今回は、まだ自分が目指す仕事が決まっていない生徒さんが多かったため、まずはホランドの職業分類を用いて、それぞれの仕事の興味関心をきっかけに仕事の理解を行いました。
「文化祭で焼きそばの模擬店をみんなでやるとしたら、どんな役割をやってみたい?」と問いかけて、移動してもらったところ、一番想像がつきやすいという事もあって、料理を作る係と売る係が大人気。
それぞれの分野に、どんな仕事をしている人たちがいるのかを説明した後は、その仕事のやりがいや大変さなどを、各グループで想像していきました。
また職業経験がないため、やりがいや大変はわからないかと思いきや、みんなの想像力は大したもので、それぞれの職種の確信をつくような意見も挙がってきました。
リアリティショックを軽減する
仕事について「こんなはずじゃなかった」「思ってたのと違った」と感じて、早期に離職してしまう方は、年齢が若いほど多くなっています。
最新の統計では、新卒入社1年目の離職率は、中学卒で40.0%、高校卒で17.4%、大学卒で11.3%。(厚生労働省|平成28年新規学卒就職者の学歴別就職後3年以内離職率の推移より)1年目の離職は10年前と比較すると、若干ではありますが減少してきていますが、高校生で約5人に1人が早期離職していることが現状です。
その要因の多くが、仕事の理想と現実のギャップ。入社前に想像していた仕事と違うということです。実際は、やってみないとわからない部分はあって当然。そういう意味では、リアリティショックをなくすことは難しいと考えます。大学生であれば、インターンシップが多くなってきており、入社前にその仕事をある程度体感する機会が増えています。ただ、中学校や高校では、あっても職場体験の2〜3日です。
そのため、中学、高校での職業講話の役割は、どれだけこのギャップを埋めるか、もしくは、リアリティショックの乗り越え方を身につけてもらうかだと思います。
今回の生徒さんと関わって感じたのは、仕事の憧れだけではなく、大変さも想像できるということです。まだまだ仕事に関する情報が少ないため、偏りはありますが、大きくズレた想像はありませんでした。また、ひとりではなく、何人かで集まって考えれば、それだけ情報が多くなり、想像も膨らみます。
今回は、「知らないと想像ができない」という事も感じてもらいました。彼らの中に「職業」のアンテナを建てて、世の中の仕事を意識するようになれば、自ずと情報は手に入り、手に入れば想像ができ、そしてまたわからないことを調べる。この循環を生み出すために、私もさらに学んでいこうと、仕事について楽しそうに話し合う生徒たちの姿から感じました。