どうしたらこの働き方を楽しめるか
第7回は、フリーランスの働き方をより楽しむためには、どんな事があれば良いかを、これまでの私の経験とキャリア理論から整理します。今回は、単なるノウハウではなく、認知と行動面から3つに絞ってみました。
- 不安定を不安にしない楽観性
- アソビを持つ計画性
- 社会の中での役割意識
不安定を不安にしない楽観性
フリーランスは、人にもよりますが、仕事も収入も毎月、毎年、安定して入ってくるわけではありません。また、組織にいれば、先輩や上司の姿を見て、自分の今後の姿やステップを思い描きやすいですが、フリーでやっていると、モデルがいつも近くにいるとは限りません。むしろいないことの方が多いです。
そのため、「今後どうなるんだろう」という思考で止まってしまうと、この働き方を楽しめないかもしれません。
「どうなるんだろう」と自分以外の環境や社会、人に意識を向けるのではなく、「どうしたいだろう」「どうしようか」と、自分ができることに意識を向けて考えると、不安はいかがでしょうか。
今後どうなるかは、実際は誰にもわかりません。逆に、自分の人生に置いて、いつどこで何が起こるか、全て分かっていても面白くない。初めて見る映画も、あらすじや結末が事細かにわからないから、次にどうなるんだろう、何が起こるんだろうという期待感とワクワクを楽しめるのではないでしょうか。
仕事においては、そのワクワクに加えて、さらに、「次どうしようか」を自分で決めることができます。フリーランスであればその余地はさらに大きいのです。
このように、不確実で不安定な状態を受け入れてることができると、フリーランスの働き方を楽しむことができます。
アソビを持つ計画性
小学校時代の夏休みの宿題。8月末にギリギリになって、必死に片付けた思い出をお持ちの方も多いと思います。(私は早くやり過ぎて、休み明けのテストの頃には全て忘れてしまっていましたが。)
フリーランスの働き方は、自分でスケジュールを管理して自分のペースで、自分の裁量で進めていきやすい仕事です。そのため、期限ギリギリに集中してやっても良いし、前もって終わらせておいても良い。ただ、夏休みの宿題の様にギリギリで行うことが習慣になっている人は、この働き方にしんどさを感じるかもしれません。
この働き方の良いところは、仕事に追われず、追えるところです。追われていると、どうしても気持ちに余裕が持てず、仕事を「楽しむ」というよりは、「こなす」という感覚に近くなってしまいます。せっかく、自分の好きに進められるのに、「こなす」になってしまっては、もったいない。
どれだけ段取り良く、時間を有効活用し、事前準備をして余裕を作る、つまりは「アソビ」を残しておくかが楽しむ秘訣だと感じています。アソビがあることで、自分のパフォーマンスは最大限に発揮でき、何より、新しい仕事を受ける事ができます。そのための種を蒔いておくことも、アソビがあってこそ。
自由だからこその主体性
該当インタビューで、今の政治や社会についてマイクを向けられたら、なんと答えますか?
この時に、こうしてほしい、ああしてほしいと、自分以外への他者に対する要望だけを口にする人よりも、「自分ならこうするなあ、こうしたいな」と言える人の方がフリーランスは楽しめるように思います。
子ツバメのように口を開けて、周りの環境の変化をただ待っているだけでは、この働き方はストレスに感じると思います。そうしていると、関わる人や組織、そして社会がより良くなるために、自分から働きかけていく楽しさを味わえません。
目の前の相手に対して、「自分がしてあげている」とか、「この社会は自分が創っているんだ」という奢りではなく、自身と社会とのつながりを感じながら、一個人として存在し、自らの役割りを担っているという意識でいられると、この働き方を、さらに楽しめるのではないでしょうか。