マタニティ・ハラスメントについて

それぞれの立場で当事者意識を持つ

初めて最高裁の判断がおりました。

働く女性が妊娠や出産を理由に職場で解雇、雇止め、職務変更など
 
婚姻、妊娠、出産等を理由とする不利益取扱いの禁止等が定められており
法的に守られているにもかかわらず、現実はまだそうではありません。

実態調査も少なく認知度も低いハラスメントですが
日本労働組合総連合会の調査によると
4人に1人が妊娠・出産を理由に不当な扱いを受けており、
また、受けている本人もハラスメントの意識がないのが現状です。
 
産休、育休についても、「うちの会社は制度がなくて」
とおっしゃる方もいらっしゃいますが
産休は労働基準法、育休は育児介護休業法により定められており
組織はその制度を設けなければなりません。
 
権利ばかり振りかざしている、そんなこと守っていたら職場が成り立たない
しかし、法律は雇用側と働く側のルールであり、
 
11人でプレーするなど様々なルールがあり
誰かがそれを無視して手を使い出したり、12人目の選手としてプレーに参加してしまうと
ルールがあり、それをお互いに納得した上でプレーするからこそ試合ができるのです。
仕事もこれと同じではないでしょうか
働くことに関する法律は沢山あります。
お互いに納得し合意が取れているから雇用契約を結ぶのであって
 
子どもの存在はその親だけではなく、現代社会にとって、
その大切な命を育てる環境を阻害することは決してあってはならない。
妊娠、出産を理由に契約を打ち切ったり、賃金を下げたり、嫌がらせを行う。
自分の立場しか考えていない、自分の利益しか考えていない、自分本位の考え方から

行われてしまう行為だと感じます。

また、マタニティ・ハラスメントは働く女性に対してだけではありません。

職場外の社会でも妊娠されている方や小さいお子さんを連れている方に対しての
ハラスメントは問題になっています。

電車内で優先席に座っている女性やベビーカーを押している女性が
嫌味や不快な言動を受ける事例が聞こえてきます。

現在、妊娠すると母子手帳とともに妊娠していることを周りに知らせる
シールやバッジをもらえますが、
怖くてつけられず、悪阻のひどい中じっと耐えている方もいらっしゃいます。
このストレスは、安定期に入る前の女性にとっては流産のリスクにつながります。

ではどうすれば安心して子どもを産み育てる環境になるのでしょうか
そうではないのではないでしょうか
全体最適を考えられないほど視野が狭ばまし余裕がない状態になってしまう。
私たちの欲求は満たされることなく「もっと」を求めており
それが社会の余裕をなくしてはいないでしょうか

少子高齢化で労働人口が減り、生産年齢への負担がこれ以上大きくなると
それぞれがそれぞれの立場で当事者意識を持つことが
ハラスメントのない社会へむかうのではないでしょうか