フリーランスのこれから

フリーランスは、社会のメリットを考える?

日本政府が、雇用によらない働き方の研究会を立ち上げるなど、多様な働き方が受け入れられる社会に少しずつ近づいていると感じる。

現在の就職活動といえば、どこかの企業の面接を受けて、雇用されるための活動にすぎない。しかし、”職に就く活動”と考えるのであれば、雇用だけではなく、自分の能力開発や、業務委託契約の締結など、幅広く考えてもいいのではないだろうか。

私が、フリーランスとして働きはじめて感じた意識は、雇用主一法人のメリットだけを考えるのではなく、社会全体のメリットを考えるようになったことだ。

雇用契約で働いていた頃は、雇用元企業の利益を考えて、コスト削減や効率化、人材育成や人材確保を考えて働いていた。しかし、フリーランスになってからは、契約先の利益はもちろん、その先の社会がより良くなるにはどうしたらいいかを考えている自分がいた。

これは、私に限らずフリーランスとして働く人に共通して言えるのではないだろうか。

雇用契約の全てが悪いと言っているわけではない。そうした働き方をしている人でも、社会の利益を考えて自らの役割を全うしている方もいる。

しかし、多くは、自身が所属する組織のメリットを優先することが多いのではないだろうか。だから、組織にとって不利益になる隠蔽や改ざんがおこなわれる。自組織の利益を上げるために、若者を使い捨てる、いわゆるブラック企業が生まれる。心に余裕がなくなるため、パワーハラスメントが発生する。

もしも、働く人が、全てフリーランスになったらどうだろうか。社会課題や、世の中をより良くするためのプロジェクトごとに、力を持った専門家が集まり、チームを組んで仕事をする。この時に考えるのは、一時的な組織のメリットではなく、社会のメリットだ。

そして、そのプロジェクトが完了すれば、また次のプロジェクトに、新しい仲間と出会い取り組む。

この流れが一般化した社会を想像するとどうだろうか。

私は、フリーランスが増えることを願う。自分たちが暮らしている社会を作っているのは、自分自身。その社会がより良くなるための方法を考え働く人材が増えることを願う。